描画の基礎「デッサン」の必需品・便利アイテムのご紹介

デッサンは鉛筆などを用いて対象物(モチーフ)を正確に把握し、描き出すことを目的として行う、いわば絵の訓練です。物の見方や捉え方を深め、それを描写する為の技術を養います。本ページでは、鉛筆を使用したデッサンに必要な画材・用具について、各項目のおすすめ品を交えながらそれぞれご紹介いたします。


◆紹介商品一覧(項目をクリックで移動します)◆

●鉛筆
●鉛筆削り器/カッター
●画用紙
●消しゴム
●イーゼル/木製パネル
●ガーゼ/擦筆
●定着液(フィキサチーフ)
●その他 おすすめ用品



●鉛筆

デッサンに必須の道具の一つです。「鉛筆」とひとくくりにしても、黒鉛の配合によって 描いた時の色の濃さが全く異なるため、自分の描きたいモチーフや画風に合うものを選択したり、使いやすい硬さの鉛筆を模索していくことが重要です。 また 界面活性剤が配合されている鉛筆は水に溶けるため、水彩画のようなにじみやぼかしの表現も可能です。最もスタンダードで扱いやすい鉛筆の硬さはH~3B程度とされているため、初心者の方は まずはこの硬度の鉛筆を選んで描き始めると良いかもしれません。



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◆◇ステッドラー マルスルモグラフ鉛筆◇◆
▽製図・ファインアート・デザインなどのプロフェッショナルユーザーから厚い信頼を得ている、全芯グラファイト芯の鉛筆。紙への定着性がよく均一な線が描けます。折れにくく磨耗が少なく滑らかで光沢のある書き味です。硬度幅は12B~10H。6硬度・12硬度・24硬度セットも展開しているため、鉛筆選びに迷っている方にもおすすめです。

◆◇三菱鉛筆 ユニ/ハイユニ鉛筆◇◆
幅広い硬度のラインナップをそろえた、製図・デッサンに最適な鉛筆。ハイユニは大小の粒子を混合し、ユニ鉛筆よりも塗装回数が多く、よりなめらかな書き味を追求した鉛筆です。ユニ/ハイユニともに、素描にはもちろん筆記にも重宝されています。ダースでの販売もございます。





【鉛筆 ジャンボタイプ】
通常の鉛筆よりも芯径が太く作られた鉛筆。ダイナミックなストロークで一気に描きたい時や、広い面を均一に描画する時に最適です。

◆◇ファーバーカステル カステル9000番ジャンボ◇◆
紙面へののりのよさ、書き味のなめらかさ、均一な品質、ムラのない定着性、さらに芯が折れにくい、高い支持を得ている高級鉛筆です。鉛筆軸径は約10mm。



◆◇ステッドラー マルスルモグラフジャンボ製図用鉛筆◇◆
マルスルモグラフ製図用鉛筆と同じ素材のジャンボ鉛筆です。紙への定着性がよく均一な線を引くことができ、折れにくく磨耗が少なく滑らかで光沢のある描き味です。芯径は5.3mmで、より強化された芯に仕上がりました。



【水溶性鉛筆】
通常、筆記やデッサンには、水に溶けない油性タイプの鉛筆が使用されますが、鉛と界面活性剤を混合して作られた「水溶性鉛筆」もおすすめです。支持体へ描画した後に水を含んだ筆などでなぞると鉛が溶け出し、水彩画のような瑞々しい表現が可能になります。

◆◇ステッドラー マルスルモグラフアクェレル水彩鉛筆◇◆
描画したところを水を使ってぼかすことで、グラデーション・陰影の濃淡が簡単に表現できます。濡れた紙への描きこみや、乾いてから再度溶かすことも可能です。硬度は8B、6B、4Bの3種類。それぞれの硬度をまとめたセット商品もございます。



◆◇カランダッシュ テクナロ水彩鉛筆◇◆
作品に微妙なニュアンスや水彩画のような深みを与えたいときに最適な水溶性鉛筆。硬度はB、3B、6Bの3種類のほか、レッド、グリーン、ブルー系の色がにじみ出るRGBカラーシリーズもございます。

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●鉛筆削り器/カッター

デッサンで使用する鉛筆は、カッターで削って芯先を整えた上で描きます。鉛筆の場合は芯を長く出し、側面を使って描けるようにするとベストです。新しい鉛筆は、鉛筆削りである程度削った後、カッターでデッサン用に形を整えます。カッターナイフを使用して削ることが一般的な方法ではありますが、昨今ではデッサン用に芯が長く出るよう削れる鉛筆削り器や、太軸の鉛筆用に 削り穴を大きくしてある削り器なども製造されています。削り方にこれといった厳密なルールはありません。様々な道具を試して、自分に合う鉛筆の削り方を探してください。

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◆◇鉛筆シャープナー◇◆
▽鉛筆を手早く尖らせるのに最適な小型の削り器。削り屑が散らからないよう 器のついているものや、削り穴が複数空いており 太さの異なる鉛筆を削れるものなど、機能性に長けたものを豊富に取り揃えております。



◆◇カッターナイフ◇◆
▽事務用やクラフトに使用されるカッターナイフ。鉛筆を削る際にも重宝されます。削る際は、鉛筆とカッターナイフを同時に持ちながら削るので、細身で小回りの利くものを使用するのがおすすめです。



◆◇おすすめ品 デッサン用削り器「デッサンメイト」◆
▽鉛筆を、デッサンに最適な長さの芯先に簡単に削ることが出来る削り器です。外径8mmまでの木製鉛筆を削ることが可能で、ハンドル部分に付いている芯先調整機構(7段階)を回せば、削る鉛筆の芯の太さ(長さ)も変えることが出来ます。


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●画用紙

鉛筆を用いてのデッサンやクロッキーは、基本的に「画用紙」に描画していきます。紙目の粗さや厚さには様々な種類があるため、どんな絵を仕上げたいかのイメージを明確に持った上で用紙を選ぶ必要があります。目の細い紙は植物の繊維や細密なモチーフのデッサンによく使われ、粗目の紙はあえて細部にこだわらず 面を意識した素描などに使用されることが多いです。

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◆◇サンフラワーM画用紙◆
▽ナチュラルホワイト色で柔軟性に富んだ画学紙(画用紙)です。やや目の粗い作りで、鉛筆で軽くストロークするだけでもしっかりと色が乗ります。デッサンの習作のほか、水彩画に使用されることも多く、オールマイティな用紙です。



◆◇シリウス水彩画紙◇◆
▽鉛筆のノリの良いラフ肌に仕上げられた画用紙です。色は最も自然なナチュラルホワイトで、紙の表面は消しゴムによる摩擦にも耐えられるよう強靭に作られています。※品名は「水彩画紙」ですが、鉛筆デッサン・パステル・コンテなどの色の乗りも非常に優れています。



◆◇白象画学紙◇◆
▽紙の表面のエンボスが非常に少ないですが、完全な平滑面ではないため、鉛筆の鉛がよく乗る画用紙です。高い白色度を有しているので、鉛筆の黒いトーンが映えます。



◆◇クロッキーブック◇◆
▽鉛筆が滑らかに走るようにラフ肌に仕上げられた用紙です。アイデアスケッチや速写、素描として惜しみなく使えるように 安価に設定してあるものが多いです。薄い紙ですが破れにくく、自由に描くことが可能です。紙の種類も白色無地だけではなく、クリーム色や、方眼が入っているものなど多数展開しております。

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●消しゴム

消しゴムは、一般的に描いたところを消す/修正する目的で使用されることが多いですが、デッサンにおいては 消すというよりは描いた部分を淡くする、白い線やタッチを描くといった要領で、描画材の一つとして使います。練りゴムで広い範囲を曇らせるように白抜きしたり、硬い消しゴムのエッジを活かして明るい部分を描き起こしたりと、活用のしかたはさまざまです。

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◆◇固形消しゴム◇◆
▽消す力が強い為、端の部分を生かして線的に消すことが出来ます。広い部分の修正にも使用可能です。デッサンの修正で固形の消しゴムを使う際は、紙を傷めないよう、力を入れすぎずに消す必要があります。



◆◇練り消しゴム◇◆
▽固形のものより格段に柔らかい消しゴムです。必要な分だけちぎって、指で軽くならしてから使用します。画面の修正用というよりはライトトーンの部分の描画に使用します。



◆◇ペン型消しゴム◇◆
▽とても極細でエッジが効くため、ピンポイントな箇所を消すことができるペンタイプの消しゴムです。デッサンにおいてはごく僅かなハイライト部分や白抜きの模様などを描く時に重宝されます。

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●イーゼル・木製パネル類

デッサンをする際には、描くための道具選びも大事ですが、描きやすい姿勢や環境を整えることも重要です。紙はカルトンや木製のパネルに固定して、描くための土台をしっかりさせる必要があります。また イーゼルを使用して、画面とモチーフをすぐに見比べることができるようにすれば、自分の描いているデッサンの修正すべき箇所や突き詰めたいところなどが容易に見つかるようになります。

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◆◇木製パネル・カルトン◇◆
▽紙を固定して土台をフラットにするために使用します。カルトンは、二枚の木板を紐で連結させて作られているので、紙を固定するための画板として使用するほか、描いた後の作品を挟んで保管しておくこともできます。紙はクリップなどで固定するのが一般的です。





◆◇イーゼル◇◆
▽画板を立てかけて、モチーフとの見比べをよりやりやすくします。座って描く際は、自分の座高に合うよう イーゼルの土台や受け部分を調整する必要があります。

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●ガーゼ・擦筆類

鉛筆でのデッサンは、見たものを正確に写し取るということが肝心ですが、そのほかに絵作りの要素として、描いたところの質感を変えることも重要になってきます。鉛筆以外の道具を使って、描いたところの輪郭をぼかしたり、鉛筆のハッチングの後を滑らかにすることで、デッサンにより奥行きが生まれたり、説得力が増していきます。

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◆◇ガーゼ◇◆
▽本来は救急用の用品ですが、鉛筆デッサンのぼかし用にも使用します。布の繊維が鉛を均一にならしてくれるので、落ち着いたトーンのまま、鉛筆の描き後をおさえることができます。



◆◇擦筆(さっぴつ)◇◆
▽紙を細かく巻いて作られた、ぼかし用のデッサン用具です。先が鉛筆状に尖っているため、小さな面積をピンポイントにぼかしていくのに長けています。


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●定着液(フィキサチーフ)

鉛筆デッサンを描き上げたあと、紙の上に吹きかける液体です。完成させた後のデッサンをそのままにしておくと、画板やほかの紙との摩擦で鉛筆の鉛が落ち、画面が汚れてしまうことがあります。それを防ぐために、鉛と紙との定着を良くする必要があります。デッサンの完成後、紙から30cm程離れたところからフィキサチーフスプレーを満遍なく噴射してください。
※部屋の窓を開け、風通しを良くしてから使用してください。



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●その他 おすすめ品

デッサンをする上での必需品以外にも、構図を決める時や、鉛筆の芯先をよりシャープにするときなどに一つ持っていると作業時の効率がぐんと上がる道具は多くあります。

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◆◇デッサンスケール◇◆
▽デッサンの構図を決める際の見取り枠。モチーフにかざしながら、自分の描く画面の中でそのモチーフをどのようにおさめるかを決めていきます。



◆◇マスキングテープ◇◆
▽鉛筆をのせる部分と、白紙として残しておきたい部分をくっきりと分けたいときに使用します。通常のテープよりも粘着力がやや弱めなため、はがす時も紙を傷めにくい仕様になっています。



◆◇やすり/芯研器◇◆
▽カッターナイフで削った鉛筆の芯先を、より滑らかに調整・研磨する道具です。



◆◇デッサン・スケッチ用ペンシル◇◆
▽デッサン用の鉛筆以外に、黒鉛の濃度をより強くしたタイプの鉛筆や、酸化鉄と粘土を混ぜて絶妙な茶色を発揮するコンテ型ペンシルなどもおすすめです。本格的な描きこみにはもちろん、量感をとらえるための速写用にも使用でき、モノクロのみで描くデッサンとは一味異なる雰囲気や空間を生み出すことができます。



◆◇デッサン関連書籍◇◆
▽当ショップでは、デッサンに関する書籍も数多く取り揃えております。初心者の方のために、光と物の関係性や物質の量感など基礎的な項目から解説しているものや、更なる上達のためのテクニックや「見せる」ための描き方を網羅した技法書など。いずれの書籍も、様々な視点から「デッサン」において重要な事柄を徹底的に突き詰めています。

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●まとめ

デッサンは観察眼を深め、描写力を高める基礎的な訓練です。才能やセンスはさほど重要でなく、描いた枚数の分だけ技術が身に付きます。実に多様な表現方法・形式が存在する現代において、デッサンを重要視することにいささか疑問に感じる方も多い事でしょう。しかし、絵画制作における上達の近道はデッサンであることに変わりはありません。正しい描写力を鍛える事により、自分のイメージしたものをより形にしやすくなります。無意識に「描けるものしか描かない」状態に陥っている方にこそ、デッサンの訓練は有効です。表現の幅を広げる為にも、今一度自分のデッサン力を確かめてみてはいかがでしょうか。