スケッチブックのススメ 紙の種類・形状・サイズについて解説!

世界堂には、たくさんの種類のスケッチブックが取り揃えられています。
大きいサイズ、小さいサイズ、スプリング綴じ、パッドタイプ、水彩紙、画用紙…どれを選んでいいのか悩んでしまう方も多いかと思います。
そんな方のために、今回はスケッチブックの種類やおすすめのスケッチブックをご紹介させていただきます。

スケッチブックに使われる紙

スケッチブックは、使われる紙で大まかに3種類に分類することができます。

水彩紙

水彩絵具で描くことを想定して作られたスケッチブックです。
絵具の発色や定着性が良く、ブラッシングなどに耐えられる強度と厚さがあります。

極細から荒目まで豊富な種類の紙肌があり、様々な技法に対応しています。
原料にはコットンなどが多く用いられます。

一般的なスケッチブックに比べると高価なものが多いですが、水彩紙がまとまっているので、水彩画をたくさん描きたいときにオススメです。
大切な一枚を描く際には専用紙がオススメです。

画用紙

メジャーなものではマルマンの図案印刷(黒とオレンジのスケッチブック・画像左下)などが有名ですが、比較的安価でアイデアスケッチなどに用いられています。

画用紙は水彩の練習にも用いられますが、水彩絵具に特化しているというより、いろいろな色材(色鉛筆、マーカー、インク、クレヨンなど)に幅広く使用できるよう、描画特性に優れているのが特徴です。
そのため、いろいろな画材を使って描きたいときにオススメです。

近年では、各色材に適した専用の画用紙ブックなども多く発売されています。

クロッキーブック

デッサンの練習などに用いられる、薄めのクロッキー紙をまとめたブックです。
手軽に描けるよう紙の入数が多く、安価でご購入いただけます。
思いついたアイデアをささっと描きたいときなど、ラフスケッチにもオススメです。

スケッチブックの形状

画用紙をまとめて綴じたものを総じて「スケッチブック」と呼ぶことが多いですが、その綴じ方にも種類によって様々な特徴があります。

スプリング綴じ

一般的に多く見られる綴じ方です。

上辺にリング穴が開いており、スプリング状のワイヤーで綴じられています。
スプリング綴じのスケッチブックは描いたページを裏側に回せるので、屋外での制作やイーゼルを用いた制作に向いています。

短辺を綴じた縦長のものと、長辺を綴じた横長のものがあります。

従来は描画後にワイヤーから紙を直接破いて端がボロボロになったりすることもありましたが、近年ではミシン目がついて切り離しのしやすいスケッチブックも発売されています。

ブロック綴じ

水彩紙に多く用いられる綴じ方です。

紙の四辺がのり付けされており、紙を端から端まで目一杯使うことができます。
また、四辺が固定されているため、水を使って描くときの紙の波うちが少ないという利点もあります。

完成後1枚に切り離す場合は、ペーパーナイフなどを差し込んできれいに切り離すことができます。

スプリング綴じに多い厚手の表紙がブロック綴じにはついていないので、屋内でじっくり描くのに向いています。

パッドタイプ(本綴じ、天のり)

カバーの背帯部分がのり付けされ、本のように製本されたスケッチブックです。

ブロック綴じとは異なり一辺のみしかのり付けされていないので、切り離しが簡単です。
また、スプリングもないので紙全体に描くことができます。

スケッチブックのサイズ

サイズ展開は、絵画サイズ(F規格)が多くを占めます。
特に水彩紙のスケッチブックは、多くがA4やB5などのデザインサイズ(A規格、B規格)ではなく、F規格です。

F規格でA4(297×210mm)に近い大きさはF3(273×220mm)で、B5(182×257mm)に近い大きさはF2(190×240mm)です。

クロッキーブックなどにはデザインサイズや木炭紙サイズなどもあります。
また、マルマンの図案印刷スケッチブックなどはデザインサイズのサイズ展開になっています。

スケッチブックは携帯することを想定して作られているので、F10(530×455mm)程度が最大となります。
海外メーカーなどは独自のサイズ展開をしているものもありますので、描きたいサイズや持ち運ぶときの利便性(いつも使うカバンに入るか、など)を確認した上で選ぶと良いでしょう。

オススメのスケッチブック

水彩紙

・アルシュ水彩紙(フランス製)

フランス・ロレーヌ地方のアルシュ工場で「アルシュ紙」が誕生したのは1492年。
ピカソ、ドガ、マチス、ミロなど、世界中の画家たちに愛用されてきました。

アルシュ水彩紙は100%コットンの最高級水彩紙です。
伝統的な円網抄紙機(まるあみしょうしき)で抄造されているため繊維が均一に広がり、肌目が自然です。

アルシュ水彩紙は、紙に安定性があり濡れた状態でも紙の変形が少ないのが特長です。
独自のゼラチンサイジングにより発色が損なわれず、スクラッチにも対応しています。
アルシュ水彩紙

・ウォーターフォード水彩紙(イギリス製)

英国の、歴史ある由緒正しいセントカスバーツ製紙工場で抄造された水彩紙。
コットン100%の原料を用い、あらゆる技法に耐えうる表面強度をもっています。

白色度の高い「ホワイト」と落ち着いた色合いの「ナチュラル」があります。
ウォーターフォード水彩紙

・ワトソン水彩紙(日本製/ミューズ)

ワトソン水彩紙は、落ち着いたナチュラルホワイトの紙色で、中目の紙肌をもつ最高級水彩紙です。
強靭な表面は消しゴムにも強く、水彩画、デッサン、スケッチ、パースに最適です。

絵具やチャコール、パステルののりがよく、特に水彩絵具の発色が良い紙です。
ワトソン水彩紙

・ヴィフアール水彩紙(日本製/マルマン)

ヴィフアール水彩紙は、マルマンが開発した「手軽に水彩を楽しめる」国産水彩紙です。
中性に近い仕様で変色が少なく、保存性に優れています。
また、発色が良く、絵具を動かしやすいように「にじみ止め」が施されています。

他の水彩紙に比べ比較的安価なのも魅力です。
ヴィフアール水彩紙

画用紙

・図案印刷スケッチブック(日本製/マルマン)

マルマン社のアイコンでもある「図案シリーズ」は、スケッチブックの代名詞ともいえます。
マルマン画用紙は紙の「しぼ」が織りフェルトで作られているので、自然で絵画的表現効果を高めます。

ソフトで水を多く含むことができるので、水彩画に適しています。
また、鉛筆、クレヨン、パステルなども使用でき、多目的に使える高品質な画用紙です。
図案印刷スケッチブック

・シリウスブック(日本製/オリオン)

初心者の方からプロの方まで幅広いアーティストが使用している「ワンランク上の画用紙」のシリウス水彩紙。
一般的な画用紙よりも紙面強度が高く、消しゴムにも強く、絵具の発色も鮮やかです。
使いやすく、水彩画の練習用にも最適です。
シリウスブック

・A画ブック(日本製/ミューズ)

サンフラワーペーパーA画学紙(厚口)を本型のWリング綴じにしたスケッチブックです。
純白色でやや荒目の紙肌をもつ、柔軟性に富んだ画学紙です。

特に不透明水彩絵具ののりや発色が素晴らしく、スクール用高級画学紙として好評です。
鉛筆画、水彩画、墨画、コミックなどに適しています。
A画ブック

クロッキー

・マルマン クロッキー

クロッキー用紙は一見上質紙と同じように見えますが、鉛筆の鉛がよくのるようにラフ肌に仕上げてあります。
主にクロッキーの用途で使われ、破れにくく、廉価で枚数を惜しむことなく使える紙です。

マーカーなども使ってアイデアスケッチをするのにも便利です。
マルマン クロッキー

・ミューズ ホワイトクロッキー

ホワイトクロッキー紙を本型の背付きスパイラル綴じにしたスケッチブックです。
原料にエコパルプを使用した、地球環境にやさしい紙です。

鉛筆、コンテ、インクがよくのり、発色も良く丈夫です。
スケッチ、レイアウト、プランニングなどのラフ画に最適です。
ミューズ ホワイトクロッキー

いろいろなスケッチブック

今回ご紹介したスケッチブック以外にも、マーカーで描くのに向いている「マーカーパッド」や、平滑でデザイン画に向いているケント紙を使った「ケントパッド」、パステル画に最適な「パステルブック」など、様々な用途に応じたいろいろなスケッチブックを取り揃えています。
描画材や目的に合わせて、自分に合ったスケッチブックを見つけてみてはいかがでしょうか。