ホルベインのイーゼル・キャビネット

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イーゼルについて

キャンバスなどを固定する為に用いられるイーゼルは「画架」とも訳されます。またイーゼルの由来は古高ドイツ語でロバの同義語でした。古代エジプトの時代には既にイーゼルが使われていたことが知られおり、1世紀には、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスがイーゼルに載せた大きなパネルに言及しています。イーゼルの最も多い用途としては、画家が描く際にキャンバスや大きなスケッチブックを固定したり、完成した絵画を展覧会で展示する事です。イーゼルの一番シンプルな形は、3つの垂直な柱が端で結合している「三脚」型です。中央の柱が他の2本から旋回して離れられる機構があり、三脚を形成しています。旋回しない2つの柱にはキャンバスを載せる水平方向の横材が据えられており、こうしたものは黒板や映写面やプラカードなどの設置にも適しています。また床の上に直接立てる大型イーゼルや机の上に載せて使うような小型イーゼルもあります。材質は木材・アルミニウム・鋼などで出来ていることが多いです。

イーゼルの選び方

イーゼルは使用場所や用途に合わせ、主に3つのタイプで展開されています。室内のスペースや制作号数をお確かめの上、適するものをお選びください。【デッサンイーゼル】…室内用の一般的な木製イーゼルです。絵画教室や予備校等で広く使用されているタイプで、画布受けはネジ止め式か差し込み式になります。【アトリエイーゼル】…機能性と効率性に富んだ室内用イーゼルで、昇降が簡単に行えます。大きさと重量があり、一番安定感があるタイプです。大作をじっくり描きたい方におすすめです。【アルミ製イーゼル】折りたたみ式の野外用イーゼルです。軽量で持ち運びやすく、ディスプレイ用にも適しています。また、コンパクトにまとめられて収納しやすい為、あえて自宅で使用する方もいます。

水平イーゼルについて

アトリエイーゼルとアルミ製イーゼルの中には、一部水平使用出来るものがあります。手元を安定させた状態で細部の描き込みをしたい際や、水彩絵具・ペン画等の制作時にも便利にお使い頂けます。【ターレンス水平メタルイーゼル (TME-3FN) / ホルベイン アトリエイーゼル46号等】

狭い室内におすすめのイーゼル

室内用イーゼルには一般的な木製デッサンイーゼルの他、機能性に富み重厚感のあるアトリエイーゼルも挙げられます。これらは木製で安定感があり、室内の絵画制作時に最適な仕様のイーゼルです。しかし、保管場所の都合や重量もあることから、個人の自室で使用するには難しい一面もあります。「イーゼルを使用したいけれど、スペースの確保が出来ない…」そんな時にお勧めしたいのが、野外用のアルミ製イーゼルです。軽量で折り畳み式の為、制作終了後はコンパクトにまとめて収納することが出来ます。室内用イーゼルに比べ安定感こそ劣りますが、保管場所に困らず、個人でも扱いやすい仕様となっています。また、屋外での制作時に最適であるのはもちろん、催事のディスプレイスタンドやボードスタンドとしても広く活用出来ます。

ホルベインについて

1900年(明治33年)吉村峯吉による大阪中之島において「吉村峯吉商店」の設立が、ホルベイン各社の礎となりました。1946年(昭和21年)「ホルベイン工業株式会社」設立、1951年(昭和26年)「ホルベイン画材株式会社」設立を経て、1999年(平成11年)創業100周年を迎えました。ホルベインでは油絵用で164色、水彩画用で108色もの絵具を商品化するため、その使用顔料の数はゆうに200種類を超えています。例えば同じ黒色でも「アイボリーブラック」は動物の骨から作った炭、「ランプ ブラック」は油煙、「ピーチブラック」は有機顔料を使用しています。塗料メーカーも含め、これ程多くの顔料を扱っているメーカーは類を見ません。それはすなわち、画家が必要とする絵具にひたすらこだわり続けてきたホルベインの長い歴史の産物です。1900年、吉村峯吉が創業した当時の事業は文具の卸・小売でした。絵具に携わりだしたのは清原定謙に代がわりして以降のことになります。それまでも国内メーカーの絵具を販売していましたが、自社でも開発したいという思いを具現化すべく、清原は復員後の1946年に絵具製造のホルベイン工業を創設。その5年後には絵具以外の筆やパレット、スケッチブックなどを扱うホルベイン画材の設立へと至りました。その後も試行錯誤を繰り返しながら、徐々に高級絵具メーカーとしての地位を確立し、現在は、国内最大手の絵具・画材販売製造メーカーとなっています。

油絵具「ヴェルネ」の歴史

日本で最初に洋画用絵具をつくったのは東京の花廼家(はなのや)です。そこから独立した二代目によるブランド、桜木絵具を販売していたのがホルベインの前身、吉村商店でした。桜木油絵具の品質や製造量に不満を感じていた吉村商店の清原定謙は、みずから本格油絵具の開発を決意しました。清原は技術指導者を招き入れて桜木油絵具を改良し、ついにより高品質な製品を完成させました。これこそ、ホルベインブランドの油絵具第一号ホルベイン「ヴェルネ」油絵具でした。しかし昭和16年(1941年)清原は召集礼状により大陸へ招集され、さらに昭和19年(1944年)東京の製造工場が焼失します。ホルベイン油絵具の歴史はここで一度、完全に途切れることとなりました。その後復員した清原が、新工場で油絵具の製造を再開しましたが、「ヴェルネ」の名前が再び使われることは有りませんでした。
時は移り平成22年(2010年)、ホルベインは油絵具の原点を、もう一度見直してみようと思い立ちます。有色顔料と乾性油だけのもっともシンプルな処方の絵具がもっとも色鮮やかで美しいことはわかっています。しかしそれだけでは流通に耐える安定した製品にはなりません。粘り強く研究を続けた膨大なデータと永年蓄積された製造ノウハウのすべてが注ぎ込まれました。緻密な処方の設計と最新鋭の生産機の導入により、高い性能と安定性を両立させ、顔料のかつてない高分散により、驚くべき滑らかさ、色の濃度、透明度が実現しました。まさしく油絵具のそしてホルベインの原点、60 年以上の時を経て一旦忘れられた「ヴェルネ」の名前は、600 年以上続く油彩画の歴史に新時代をもたらすべく、こうして復活を遂げる事となりました。
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