用紙の種類・大きさについて

紙には、「画用紙」や「模造紙」などの種類のバリエーションの他に、厚みの違いや 大きさの区分など、数多くの規格が存在します。
ここでは、当ショップで販売している商品を中心とした、 紙の「種類」「厚み」「大きさ」の各項目についてご紹介します。


紙の「種類」

紙は 絵を描く為の画用紙から、発表用の模造紙、製図用のケント紙など 用途によって区別され 使い分けますが、 紙質や使い心地など、自分の目的に合うと感じる紙を使用することが一番好ましいです。用紙の種類は数多く存在しますが 以下では 当ショップで扱う用紙をカテゴリごとに大別しています。

画用紙・水彩紙

デッサンや水彩画、アクリル画など 絵を描く為の描画材に適した紙。多くはパルプ(植物繊維)を漉いて製造され、表面にサイジング(水分の滲み止め)が施されています。荒目・中目・細目と 目の粗さに種類がある紙も存在するため、画用紙を選ぶ際は どのような作品を作りたいかを予めイメージしておくことも重要になります。
「画用紙」「水彩紙」と 商品によって名前が異なりますが、それぞれの用途以外に使えないということはありません。自分の画風を発揮できる紙を見つけて下さい。

 和紙 

主に 楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)など 強靱な繊維を持つ植物から製造される紙のこと。人の手で漉いて作る(手漉き)ものが主流でしたが、最近では機械で均一に漉いたものも存在します。日本画や水墨画を描く際の支持体として使用されます。

ケント紙

比較的厚めで 表面の目が細かい用紙。細密な描写や製図などのほか イラスト用やデザイン習作用など多目的に用いられます。ペンや鉛筆の滑りが良く、軽やかな筆記・描画ができることはどの種類にも共通していますが、紙によってはややアイボリー味のある色のもの、白色度がより高いものなど 表面・見た目にわずかな差があります。イギリスのケント地方で製造されたことが名前の由来。

上質紙(模造紙) …薄手で丈夫な用紙。鉛筆やペンなどののりが良く 扱いやすいです。もとは「局紙」という和紙を模して造られた化学紙だったため、「模造紙」と呼称され 現在でもこの名前が定着しています。→模造紙一覧はこちら

 イラストボード  …水彩紙・ケント紙などの描画用の紙を 厚紙に予め貼り付けたもの。紙の反りや波うちが、用紙をそのまま単独で使用するときよりも少なく、制作中に紙を誤って折ってしまうなどの事故も起きにくい丈夫な仕様です。描画のほかに、撮影の背景、コラージュなどにも使用できます。→イラストボード一覧はこちら


紙の「厚み」

用紙の厚みの表記には、幾通りもの種類があります。用紙そのものの厚さの実寸を測って定義づける方法や、用紙を重ねて その重さを比較する方法などがあります。ここでは それぞれの紙厚の表記の意味を説明しています。

 紙の厚み(μm)での表記 

用紙を実寸で測定した時の厚みの表記。「μm(マイクロメートル)」と読みますが「m」を略して「μ(ミクロン)」と呼称することもあります。印刷用パック用紙などに表記されていることが多いです。
※周りの湿度や 紙の保管方法によって、紙の含有する水分の割合などが変わるため 厚みも微妙に変化します。



  紙の重さ【連量(斤量)】での表記  

同じ種類の紙を 断裁前(全判)の大きさのものを1000枚重ねたとき(1連と呼びます)の重さで測る表記方法です。単位は<kg>と表します。
※断裁前(全判)の大きさ…多くの用紙は4/6判(788×1091mm)の大きさが「全判」とされていますが、ハトロン判(900×1200mm)や菊判(636×939mm)等の大きさが「全判」とされているものもあり、どの大きさが「全判」となるかは 用紙の種類によって異なります。
※板紙などの厚手の用紙は、全判100枚を1連とし その重さを表記する場合もあります。

・例…「サンフラワーM画学紙<175kg>」→サンフラワーM画学紙を断裁前の大きさ(B本判)で1000枚重ねたときに175kgの重さになります。



  紙の1㎡の重さ【坪量】での表記  

1㎡(1m×1m)の大きさの用紙1枚がどの程度の重さかで測る表記方法です。単位は(g/㎡)と表します。水彩紙などの厚みの表記に用いられることが多く、単位を(g)と表記する場合もあります。

・例…「ワトソン水彩紙(超特厚口・300g)」→ワトソン水彩紙 1㎡サイズ 1枚の重さを計測すると300gになります。


紙の「大きさ」

用紙には「A4」「B4」などのサイズのほかに、4/6判やB本判、菊判といった A/B規格とは異なる寸法・比率のサイズも存在します。また それぞれの大きさの紙を、短手(短辺)に沿って半分にした大きさを「半切(はんせつ/はんさい)」、半切をさらに半分に割った大きさを「4切(よつぎり)」と呼称します。
※書道用の和紙や画仙紙では 全紙を長手に沿って2分割した大きさを「半切」と呼ぶ場合もあります。

※水彩画を入れる額縁にも「半切」「四切」「八切」など 同じ名前のサイズがありますが、用紙のものとは寸法が異なります。

 用紙断裁表(半切~16切) 

それぞれの用紙の全判サイズ、また その紙を等分に断裁していった時の大きさをまとめています。


全判
半切
四切
八切
十六切
4/6判
788
×
1091
546
×
788
394
×
546
273
×
394
197
×
273
A本判
625
×
880
440
×
625
313
×
440
220
×
313
156
×
220
B本判
765
×
1085
543
×
765
383
×
543
272
×
383
192
×
272
菊判
636
×
939
470
×
636
318
×
470
235
×
318
159
×
235
ハトロン判
900
×
1200
600
×
900
450
×
600
300
×
450
225
×
300
単位…mm


 オンラインショップおすすめ用紙 

当ショップで人気の用紙をご紹介しています。どの紙を購入すればいいのか分からない・まずは手を付けやすいものから買ってみたいという方は参考に ご覧ください。

 サンフラワーM画学紙・A画学紙(水彩紙) 

ナチュラルホワイト色で水彩紙の中目のような紙肌を持つ柔軟性に富んだ画学紙(画用紙)です。マーカー、鉛筆、マジックなど オールマイティに使用出来、不透明水彩絵具ののりや発色は特に優れています。M画は175kg、A画は135kgと 厚みに差がありますが、紙の表面の目や質に違いはありません。

 シリウス水彩画紙(画用紙) 

自然なナチュラルホワイト色に特紗した画用紙。強靱な紙面は消しゴムによる摩擦にも強く、絵具の発色性にも富んでいます。鉛筆・コンテ・パステル等の乗りの良いラフ肌な紙目のため デッサンにも最適。スクール、予備校などでも習作用としてよく使用されます。

 水彩画紙(画用紙)ポストカードパック 

絵手紙に最適なポストカードサイズのパック紙。水彩・顔彩に適した画用紙や画仙紙、滑りの良いケント紙など 様々な種類の紙をはがきサイズでお求めいただけます。

 クラフトペーパーパック 

工作用紙やマンガ、イラストの練習用紙など多目的に使えるパック紙です。レーザー・インクジェットなどのプリンターでも使用できます。厚さは「特厚口」と「厚口」の2種類、色は「ホワイト」「ブラウン」「ライトブラウン」の3色を展開しています。

 トレーシングペーパー パック 

設計製図・デザイン用のほか、型紙、イラスト、写し絵、作品の保護紙などに幅広く使用できる半透明紙。表面の平滑性も高く 筆記具でシャープな線が描けます。厚みのバリエーションは45g~135gと豊富です。またパステル調の有彩色がそろったカラートレーシングペーパーもご用意しています。チラシ、POP作りにご利用ください。(※印刷専用紙ではありませんので、インクやトナーののり具合はプリンターにより異なります)

 バロンケント紙 

厳選された良質の原料と、粋を極めた高度な技術により作られた理想的な最高級ケント紙です。紙質は限りなく強靭に仕上げられ、伸縮性が小さく、紙面はきめ細かく高平滑。烏口、製図ペンによる線引き、水彩、ポスターカラー、マーカー等の彩色に最も適しています。

 KMKケント紙 

高純度パルプを原料にした高級ケント紙。製図ペンや烏口の墨入れ等に最適で発色が良く表面強度が高いケント紙です。製図、イラスト、ペン画、パースなどに定評があります。バロンケントよりもやや白色度が高いことが特徴です。

紙は用途によって形態・厚み・手触りなどが全く異なるものですが、描画や筆記、クラフトまで 使い方に決まりがなく、方法やアレンジ次第では本来の用途にそって使うよりも より魅力的な表現が可能になる素材です。当ショップでは 画用紙をはじめ 大判の紙や印刷用紙・色紙等 様々な紙製品を揃えております。自分の作風や目的に適した紙を探してください。