筆の原毛 "コリンスキー" "セーブル" "リセーブル" の違いや特徴を解説
筆の原毛で「コリンスキー」「セーブル」「リセーブル」などの名前を、水彩筆などでよく見るかと思います。これらの毛はしなやかで、面相筆や水彩のラウンドの筆などで使用されます。ものによって金額が大きく異なることもありますが、その違いは何なのか、みなさんとても気になるかと思います。この特集では、「コリンスキー」「セーブル」「リセーブル」の違いについて解説します。
コリンスキー
コリンスキーとは
コリンスキー毛とは、軟毛筆の代表的なもので、非常に高価な原毛です。コリンスキーは、シベリア地方から中国東北部に生息しているイタチ科の動物で、絵具の含みがよく、穂先のまとまり、弾力に優れた高価な獣毛です。
コリンスキー毛の特徴
コリンスキー毛は、水彩筆や日本画の面相筆などに使用され、多くの方に愛用されています。
天然毛の絵具の含みの秘訣は、キューティクルにあります。獣毛にはキューティクルという階段上のひだがあり、そのひだが絵具を多く含み、伸びの良いなめらかな塗り心地となります。また、弾力性としなやかなコシの強さの理由は、毛の中が空洞になっているからです。竹がしなるように、獣毛の中空形状がしなりとコシ強さを生み出します。
コリンスキーのキューティクルは他の獣毛に比べて細かいため、絵具の含みに優れています。また、弾力性とコシの強さは、毛の内部にある大きな空洞によって生み出されています。
セーブル
セーブルとは
「セーブル」は、もともとはクロテン(イタチ科テン属)を指しますが、筆の原毛においては、中国や日本のイタチなども含め、イタチ科の獣毛をまとめて「セーブル」と総称されます。その中でもシベリアイタチの毛だけコリンスキーと呼ばれ、特別なものとされています。
「セーブル」ではなく、「イタチ」と表記しているものもあります。
セーブル毛の特徴
セーブル毛は、コリンスキー毛には多少劣りますが、絵具の含みと弾力に優れた高品質な原毛です。
ホルベインオリジナルの原毛 リセーブル
リセーブルとは
合成繊維に1本1本特殊処理を施し、セーブル毛の感触や穂先のまとまりを再現したホルベイン独自の合成繊維毛です。
リセーブル毛の特徴
リセーブル毛には天然毛の特徴である「キューティクル(階段状のヒダ)」により近い、ウォータースポットと呼ばれる凸凹があり、そこに絵具が含まれます。それにより、ほかの合成繊維毛にありがちな絵具の含み不足をカバーします。リセーブル毛には、用途に応じて天然の獣毛をブレンドしたものや、合成繊維毛のみで作られているものがあります。
リセーブル毛は頑丈でコシがあり、筆洗の際、絵具がきれいに落ちやすいので、アクリル画にも適しています。柄の長いデザインのものは、「油彩・アクリル画筆」とされており、油絵具にも使用可能です。
プロリセーブル シリーズ
「プロリセーブル シリーズ」は、天然イタチ毛を再現した新たな合成繊維毛と、リセーブル毛を組み合わせたホルベインオリジナルの合成繊維毛です。イタチ毛に近いしなやかさと絵具の含みに、リセーブルの弾力性とまとまりがプラスされました。よく揃った穂先と程よい弾力で、繊細な再現に最適です。
イタチ毛とリセーブル毛を混毛した「パラリセーブル」の後継品として誕生した画筆が「プロリセーブル」です。入手困難となったイタチ毛を忠実に再現した新たな合成繊維毛によって、パラリセーブルを凌ぐ品質と価格維持を実現しています。
まとめ
- コリンスキー毛は最も絵具の含みが良く、穂先のまとまりと弾力に優れた非常に高価な獣毛
- コリンスキー毛の絵具の含みの良さの秘訣は、細かいキューティクルにあり、弾力性としなやかなコシの強さは毛の内部の大きな空洞が生み出している
- セーブル毛は中国や日本のイタチなども含めた、イタチ科の獣毛の総称
- セーブル毛はコリンスキー毛には多少劣るが、絵具の含みと弾力に優れた高品質な獣毛
- リセーブル毛は特殊処理を施し、セーブル毛の感触や穂先のまとまりを再現したホルベイン独自の合成繊維毛
- リセーブル毛はアクリル画や油彩画にも使用できる
筆選びの基準は、絵具の含みの良さや、コシや丈夫さ、金額など様々あります。自分にあったお気に入りの筆を見つけましょう!