色鉛筆のおすすめは?選び方からおすすめメーカーまでご紹介!

色鉛筆は誰もが使ったことのある身近な画材として、広く親しまれています。子どもが工作に使うイメージがありますが、実はとても奥深く、塗りをとことん追求出来る画材であることはご存じでしょうか。昨今、色鉛筆で細密な作品を描く作家陣がメディアに取り上げられる機会が増え、色鉛筆画を新しく始める方も増えて参りました。また、数年前に塗り絵ブームが起きたことも含め、現在改めて色鉛筆という画材そのものに対する注目が高まっています。例えばトンボ製品の「色辞典」は、その魅力的なコンセプトとデザイン性の高さから、コレクション目的で購入される方もいる程です。本ページではそんな色鉛筆の種類や選び方、制作時にあると便利なグッズ類まで併せてご紹介致します。

◆色鉛筆の種類について

色鉛筆は大きく分けて油性と水溶性のものに分かれ、各メーカーにより芯の硬度・発色・色合いが異なります。ワックス・ドライタイプと言われるものは油性、水に溶けて水彩画風にも描けるのが水溶性です。その他にパステル鉛筆やダーマトグラフ(紙巻鉛筆)も挙げられます。下記に詳しく解説致します。

油性色鉛筆

油性色鉛筆は誰もが使った事のある、いわゆる一般的な色鉛筆です。プロの御用達として広く知られているものは「ファーバーカステル ポリクロモス色鉛筆」や「サンフォード カリスマカラー」などです。ポリクロモスは滑らかな描き心地で繊細な描写がしやすく、グラデーションや混色が綺麗に描けることに定評があります。一方カリスマカラーは軟らかい描き心地で、色鮮やかな発色が特徴です。コントラストのはっきりした表現に向いており、筆圧をかけることで艶がでます。当ショップではこの他にも様々な特徴を持つ油性色鉛筆をお取り扱いしています。

水溶性色鉛筆 (水彩色鉛筆)

塗った部分を水で濡らすと水彩絵具のように溶ける色鉛筆です。濡らさずにそのまま描けば油性色鉛筆と同じような仕上がりになる為、ドライなタッチと水彩画風のトーンを両方とも生かすことが出来ます。濡らす時は通常の水彩筆でも良いですが、「水筆」を併せて使うと便利です。

パステル鉛筆

一見普通の色鉛筆のようですが、芯がパステルで出来ており、さらさらとした粉っぽい描き心地が特徴です。芯が柔らかく、ぼかしの表現やふんわりとした淡いタッチの描写で効果的に活用できます。通常の色鉛筆と比べると芯が脆く、定着力が弱い為、細密な描写には不向きです。

ダーマトグラフ

ガラス・金属・プラスチックなどにも筆記出来る特殊芯を使用した紙巻鉛筆です。芯が太くやわらかいので、力強いタッチで描けます。色が鮮やかな為、基本的に混色はせずに彩度を生かして描くのがおすすめです。また、黒色はリトグラフの版制作やデッサン等にもよく用いられます。

◆色鉛筆の選び方

油性・水溶性の違いに始まり、各メーカーによっても描き味や硬さが異なります。セットの色合いも変わってくる為、自分の作風と相性の良い物を選択します。初心者は36色~60色セットから始めるのがおすすめです。色鉛筆での制作は混色に手間がかかる為、色数が多いほど制作時の負担を減らすことが出来ます。描き慣れてきた頃にその都度欲しい色を単色で買い足していくと良いでしょう。

ファーバーカステル(油性・水溶性・パステル鉛筆)

プロ御用達の鉛筆メーカー。滑らかな描き心地のポリクロモス色鉛筆が人気を博している。

カランダッシュ(油性・水溶性・パステル鉛筆)

全体的にさらっとした描き味で、発色がよく鮮やかな色彩が特徴です。

三菱鉛筆(油性・ダーマトグラフ)

特殊芯を使用したダーマトグラフ、消しゴムで消せる色鉛筆、図面用に便利な硬質鉛筆など、他とは特徴が異なる色鉛筆をラインナップしています。

その他メーカーの色鉛筆

◆紙(支持体)について

色鉛筆は身近にある大抵の紙に描くことが出来、特に専用の紙はありません。使用する色鉛筆の種類や描き方によって相性の良い紙は変わってきます。例えば、細密な描き込みをする方はケント紙のような目が細かいもの、水彩色鉛筆で水を使用する方には発色の綺麗な水彩紙が向いています。色々な紙を試しながら、自分の作風に合うものを見つけると良いでしょう。大作を描きたい方にはロールの販売も御座います。

ケント紙(ブロック)

硬さがあり、表面が滑らかな紙です。細やかな描き込みが可能で、シャープな線を描きたい方にも向いており、精密な仕上がりになります。但し硬質の色鉛筆を使用している場合は滑って色がのりにくい為不向きです。

スケッチブック

画用紙は適度な凹凸がある為色がのりやすく、ドライなタッチを生かしてスケッチ風に描けます。練習用として活用するのにも便利です。

水彩紙(ブロック)

水彩紙は高価ですが、色のりがよく、描き込んでも紙が傷みにくい特徴があります。表面はにじみ止めが施されており、発色も綺麗で水彩色鉛筆の透明感を生かした作品が描けます。水彩紙は各銘柄により目の粗さや色味が異なり、色鉛筆の場合は細目か中目のものが描きやすくおすすめです。もちろん、油性色鉛筆にもお使い頂けます。

イラストボード

イラストボードとは水彩紙やケント紙等に厚紙を貼り合わせボード状にしたものです。制作時の紙の波打ちや、シワが気になる方におすすめです。

◆他に必要な画材・あると便利な道具類

鉛筆削り(シャープナー / カッターナイフ)

色鉛筆の制作において、描く際のタッチは大変重要です。筆圧や持ち方を変えるだけでもタッチの変化は出せますが、削り方にも拘るとより効果的です。例えば、均一な線を描きたい時はシャープナー、広い面をなめらかに描きたい時はナイフで芯を整えるなど、使い分ける事ことでより様々なタッチを引き出すことが出来ます。サンドペーパー(紙やすり)は芯先の微調整に便利です。

サッピツ

描いた画面を擦ってぼかしたり、調子を整える際に使用します。また、混色する際にも活用できます。ガーゼ・綿棒・ティッシュペーパーなども合わせて使い分けると良いでしょう。

ネリゴム/プラスチック消しゴム

主に修正時やハイライトの表現を加える際に使用します。消すというよりは部分的に明るさを調整する感覚で活用します。ネリゴムは軽く押し当てる事で微妙な変化やタッチを加えることが出来ます。

ペンシル型消しゴム

細かい修正やハイライトの描き込み時にあると便利で、細密な作風の方にとっての必需品です。

水筆

水を出しながら描ける便利な筆です。軸部分に水を入れてから使用します。水彩色鉛筆での制作時や外出先でのスケッチ時に便利です。

水彩筆

水彩色鉛筆での制作時、水をたっぷり含ませてぼかしたい時には通常の水彩筆がおすすめです直接芯を溶かして描きたい時にも向いています。自分の用途にあったサイズ・筆先の形を選びましょう。

ブレンダー / ぼかし材 (油性用)

油性色鉛筆のグラデーション・ぼかしの基本は筆圧の強弱による塗りですが、描いた面の上からブレンダー等を使うことでも再現出来ます。ブレンダー鉛筆(スティック)は、いわば色鉛筆の無色のメディウムです。混色・ぼかし・グラデーション・グロス効果等、様々な場面で活用できます。一方「ホルベイン メルツ」は油性色鉛筆用のぼかし液です。描いた面を溶かすことで、水彩絵具で描いたような質感になります。何れも油性色鉛筆の表現の幅を広げたい方におすすめです。

◆作品の保管について

色鉛筆で描いた作品は色落ちしやすい為、完成後にフィキサチーフ(定着剤)を吹き付けます。スプレータイプのパステル・色鉛筆用のものを使うのがベストです。また、作品を重ねて保管する際は一枚ごとにトレーシングペーパーをかけておくと安心です。作品同士の擦れ合いによる色移りや剥落を防ぎます。

フィキサチーフ

トレーシングペーパー

  • ※40~50gのものがおすすめです。

◆他の画材との併用について

色鉛筆は水彩絵具やパステルなど、様々な画材と併用してお使い頂けます。例えば、水彩画の線描き(下絵)に油性の色鉛筆を使用し、より画面に馴染むアウトラインを描くなど部分的に活用するのもおすすめです。他にもペン画や版画等のモノクロ作品に部分着色をしたり、白の色鉛筆でハイライトを加えるといった併用方法もあります。また、消しゴムで消える「ユニアーテレーズカラー」は、イラストや漫画制作時のラフ描きにぴったりな色鉛筆です。コミックタッチの作品は水色のシャープ芯でラフ描きされる方が多い傾向にありますが、より柔らかくラフな線を描きたい方には色鉛筆がおすすめです。

◆色鉛筆~まとめ~

冒頭で述べたように、色鉛筆は誰でもすぐに始められる身近な画材です。しかし、その世界はとても奥深く、塗りに拘った分だけ印象強い作品へと仕上げることが出来ます。密度を上げる描き方から、淡くふんわりとした描き方まで色の重ね方は自由です。油絵やアクリル画と異なり、マチエールや支持体に制限があるからこそ、その「色」に着目して拘ることが出来ます。他の画材では得られない、「少しずつ色を加えていく面白さ」が色鉛筆の醍醐味と言えるでしょう。また、皆が使った事のある画材だからこそ、仕上がった作品に対する驚きが生まれます。色鉛筆の魅力と可能性を学んだところで、是非制作にチャレンジしてみては如何でしょうか?